シンガポールにいるうちに🌴

大好きな東南アジア生活の記録

    

中国語レッスンでチベット人と出会った驚き

中国語第一回目のレッスンに参加して、一番驚いたのはチベット人2人と出会ったことだった。(中国語レッスンももちろん面白かったけれど)私はチベット文化圏を何か所も旅し、チベットが中国に侵略される過程を描いたKundunという映画も見て、非常にチベットに興味があった。まさかこんなところでチベット人と出会うとは思っても見なかった・・・。

まずラオパサでビーフフォーを食べてからのんびり教室に向かっていたら、道に迷った。慌てて走って教室に着くも受付の姉ちゃんがおらず、部屋がどこなのか分からない。受付であたふたしていると、なんだか日本人に顔が似た人がいたので話しかけた。「すみません・・・教室の場所って、どうやってわかるんでしょう?」「私たちも今探してるんです。もしかして中国語のビギナークラス?」「はい、あ、一緒ですね。ところで私は日本人です。どちら出身ですか?」「チベット人よ。知ってる?」「!!!私チベット文化にめちゃくちゃ興味があって、ブータンとかダージリンとかラダックとかに旅行に行きました。チベットに行きたかったんですがビザの手続きが複雑で・・・ダージリンでもチベットの方にお会いしました」「私はダージリンの学校を出ているわ」なんということだ!このお二人はご夫婦のようで、旦那さんはインドのダラムサラで生まれてアメリカへ留学し、今はシンガポールで働いているそうな。

クラスは私を入れて3人と少人数だった。我々の先生は天津出身の中国人で、熱く指導してくれる。始めは中国に関するプレゼン(お札に書かれている言語は5種類とか、地域別に話されている中国語の種類とか、文化とか)があり、発音の練習に移る。しかし発音が非常に難しい。特に私はRから始まる音をどうしても先生のように出せなかった。「日本人はRとLに問題が大抵あります。今はあまり気にせずに、4種類の音の高さを正確に言えるようにしてください。すると発音がおかしくても何を言っているのか理解できますので」他にも"in"と"ing"や"en"なども、何回言っても「違います」と言われた。これは耳で聞いて練習するだけではなく、物理的にどのようにして音を出すのかを知らなければならない。漢字は日本語と共通性がかなりあり、書いてもらうと意味は分かる。ちなみにシンガポール人が話している中国語は、zhやchやshのhの音が抜けており中国本土の発音とは違うとのこと。これは中国の福建省、広東省、その他南の地域の方がシンガポールへ移住し、その地域の方言や英語など色んな言語が混ざっているためらしい。だから先生がNative speakerの中国人だったようだ。

(クラスはこのような小さい部屋で、先生がP.P.で説明しながらホワイトボードに書く)

f:id:Nisshi:20170627231620j:plain

発音を覚えるのに精いっぱいで、習った挨拶の意味を忘れた・・・。先生から宿題が出される。「あなたは、”in”と"ing"の発音の違いを習得してください。このアプリを発音の練習に使って下さい」Quizletというアプリにこの教室が教材を登録しており、それをダウンロードして生徒は使うことができる。「わ、わかりました・・・」「ではnext Tuesday jian!(来週火曜日に会いましょう)。単語が分からなくても練習用に、英語と中国語をミックスしてこのように使ってください」「謝謝!」

エスカレーターに乗りながらチベット女子と話をする。「中国語は発音が難しいです・・・ところでダージリンにいたということは、ネパール語を話しますか?」「えぇ、あなたネパール語を話すの?」「ほんの少し。サンツェフンツァ(元気ですか?)」「元気ですか?という意味ね」実はこの程度しか知らない。また来週会いましょう!と言って別れた。

MRTの中で、あまりにも色んな事に興奮しすぎて思わずワインを注文してしまった。(Bottles XOというアプリで注文し、家に帰るとすぐにワインが届いた)

f:id:Nisshi:20170627231732j:plain

しかし私は少し中国語のクラスで複雑な気持ちだった。先生はチベットのことを中国の西藏省と呼び、中国のお札にはチベット語の表記もありチベットを尊重していると言っていた。私から見るとチベットはチベットであり、チベットの現実を見ているとどうしてもチベットが尊重されているとは思えなかった。そんな中チベットの方は将来的にはチベットに戻るために、中国語を学ぼうとしているのだろうか・・・などと色んなことを考えざるを得なかった。ただ日本人の私も含めて色んな歴史的背景がありながら、先生は熱心に中国語を教え、生徒もまた一生懸命学ぼうとするその姿はとても美しかった。また自分がビギナーになって、改めて他言語を学ぶ難しさを理解した。この感覚は自分が日本語を教える時に忘れてはならない。しかし日本語は中国語に比べて発音が非常に簡単だなぁと思う。

それにしても今回の出会いもなんと不思議なのだろう。シンガポールに来てから、自分が取った一つの行動が思わぬ変化や出会いに繋がることが多々あった。もし私が中国語クラスに参加しなければ、シンガポールでチベットの方とこのようにお話しできる機会はなかったと思われる。日本で普通に生活していても、チベット料理屋などへ行かない限りチベット人に知り合える確率は非常に低い。チベット人がヒマラヤ山脈を超えてネパールへ渡りインドへ亡命するドキュメンタリーなどたくさん見たが、ダラムサラなどにいるチベット人に実際にチベットではどのように暮らし、どのようにしてダラムサラまでたどり着き、どのような生活を今送っているのかなどを聞いてみたかった。非常にセンシティブな話題のためたやすくはないが、もし許されるなら尋ねてみたい。

私の日本語レッスンの生徒の一人である中華系アメリカ人から、明日のレッスンを木曜日に延期してほしいと連絡が来た。テキサスから今週月曜日に日本に着いたばかりで、今頃時差ボケできっと大変だろう。明日は朝早く起きる必要もなくなったし、あれこれ考えを巡らせながらワインを延々と楽しむことにした。