シンガポールにいるうちに🌴

大好きな東南アジア生活の記録

    

シンガポールで「人生図書館」を思い出す ~人生の一冊とは~

本を読んでいる時に、ふと昔行った『人生図書館(人生図書館トップページ:何処かの誰かの人生の一冊)』を思い出した。当時私は働きながらライター養成学校に週末通っていたのだが、その学校の課題で誰かがこの図書館について書いていて、面白そうだったので自分でも足を運んだ。

この図書館は大阪にあるマンションのとある一室で、館長さんが素敵な女性だったのを覚えている。当時の私は仕事で非常に疲れていて、『車に轢かれて会社に行けなくなりたい・・・』と思うほどだった。(今思えば、これはかなり危険な状況だった・・・)なので余計に”人生図書館”という響きに惹かれたのだと思う。

(人生図書館のお部屋。和室×本という時点でくつろげる)

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Source: http://iaso-osaka.com/shido-blog/%E4%BA%BA%E7%94%9F%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8-2/

この図書館には人生に影響を与えた本を「人生の一冊」として、どういう影響を与えたのかというエピソードを添えて寄贈することができる。本はたくさん読んだが、今ならどれを人生の一冊として選び、どんなエピソードを書くだろうと考えた。アジア一人旅が好きになったきっかけは、沢木耕太郎の深夜特急だった。他にも村上春樹の新刊は必ずすぐに読むし、特にノルウェイの森が好きだ。しかし人生に影響を与えたというと、なんだろう・・・。まず私の人生は3年くらいのスパンでチャレンジングなことが起き、それがターニングポイントになっていた。アメリカに住んだ時、異動したい部署に変われた時、シンガポールに引っ越しした時・・・。その度に困難なことが起こり、本に助けを求めたはずだった。しかし昔読んでいた本をもう忘れてしまった。

今までの人生の中で最も変化が大きかったのは、あれだけ仕事仕事と言っていたくせにシンガポールで会社勤めを辞めて、3カ月間アジア各国を一人旅することにした去年3月の決断だった。そこから色んな事が変わった気がする。そしてその決断を後押ししたのは、当時南インドのアーユルベーダ病院で静養中に読んでいたこれらの本だった。

・シンプルリスト(ドミニック・ローホー著)

・モリー先生との火曜日(ミッチ・アルボム著)

・置かれた場所で咲きなさい(渡辺和子著)

・星降るインド(後藤亜紀著)

モリー先生との火曜日以外は、南インドでいつもお世話になるエバーグリン・トラベルの方が親切に貸してくださったものだった。どの本も素晴らしかったが、特に「シンプルリスト」を読みながら自分の考えを整理して、職業以外の自分が何者なのか知る作業をした。この本は色々な切り口から読者に質問をしてくれ、自分で考えて答えることで自分を客観的にリスト化するものだった。例えば”したくないことのリスト”というのがある。私のリストには『自分の意思ではないことをやらされること』『ずっと何かに悩み続けて消耗すること』『見かけだけで中身がないこと』『礼儀正しくないこと』『自分のやりたいことがないこと』など、20個くらいが書かれていた(結構多い・・・)他にも私のノートによると、このような視点の問いかけがあった模様。

・手放すためのリスト

・苦しみから学ぶためのリスト

・これが私と言えるものが見つかるリスト など

この本のおかげで自分の価値観を整理することができ、今行くべき方向はどこかを決め、そして日本にあのままいたらできなかったたくさんのことを経験することができた。そういう意味ではこの「シンプルリスト」を現時点での人生の一冊として、寄贈できるかもしれない。

インドもタイもシンガポールもいいけれど、なんだか”和”のものを急激に欲する。昔を惜しむつもりはもうないが、前に行ったこの人生図書館も、よく飲んだ京都の木屋町や神戸の街、自分が住んでいた海辺の風景・・・日本で昔普通に毎日送っていた生活やよく行っていた場所などのすべてが、なんだか人生図書館を思い出したことで懐かしくなってしまった。私はまだ2年弱くらいしかシンガポールに住んでいないが、10年、20年と長く海外暮らしをされていると、きっとこういう思いに駆られるのだろうなと思った。そして私は日本社会の生きづらさのようなものをずっと感じてきたが、それでもやはり日本で暮らしたいと今は思う。