シンガポールにいるうちに🌴

大好きな東南アジア生活の記録

教えることのメンター現る

日本語を教える生徒数が増え、色んな人がいるので困ることが増えてきた。今まではシンガポール人の生徒がほとんどで、彼らは真面目だしきちんと時間も守るし、どうしても時間の変更やキャンセルが必要な時は申し訳なさそうに事情を説明し、それをお願いしてきた。教師と生徒という線を超えない範囲で、レッスン外でも『ひらがなの練習してる』とか『日本食の料理を作ったよ』とかいう微笑ましいやり取りをしながら、信頼関係を作ってきた。

しかし今は、仕事で疲れ果てて私とのレッスンの途中でこと切れた人への対応とか、同じ国に住んでいるので直接会いたいと言ってくる人とか、レッスンの10分前にいきなりドタキャンするとか、30分遅れるとか・・・。前には起こらなかったような、平たく言うと非常にくだらないことが割と発生し、私の神経を徐々にすり減らしている。

とりあえず行きつけのネパール料理屋へ行く。

(チキンモモ) 

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(トゥクパを頼んだら、味がカレー味でちょっと予想外だった。カレー味のトゥクパは初めて食べた)

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顔見知りのネパール人の兄ちゃんと話そうと思ったら、今日はいなかった。しかしネパール人と思われる別のお兄さんの笑顔が素敵で、癒された。そして帰り際に前にいたおばちゃん(多分ネパール人)の店員さんが、手を振りながら見送ってくれた。今日もまた『あぁ、ネパールの方は温かいなぁ』と思いながら店を出る。

夕方の英会話で、同じ教える仕事をしているJimさんにアドバイスを乞うことにした。そして私は教えることのメンターに出会うことができたと感動することになる。「時間にルーズな生徒がいて困っています。今までは遅れてきても、そこから60分のレッスンをしていましたが、次から止めることにします。でないとまた遅れてきますから」それに今日は30分も遅れてきたのに謝らない生徒にイラっとし、それが私にいつも通りのレッスンをすることを難しくさせた。しかしそれは自分のプロフェッショナリティに欠けると感じた。どんな状況でも常に同じクオリティーのレッスンをすべきなのに・・・。

「私は遅刻してきた生徒には次の授業があるので、もともとの時間までしかレッスンできないと言っていました。実際はないこともあるんですけどね。そう言うと誰も嫌な思いをしないでしょう。ただし特例はありました。週二回遅れることなく6年間私の授業を受けていた生徒が、一度だけ公共機関の遅延で遅れたことがありました。その時私は次のレッスンはなかったので、時間を延長してフルレッスンをしましたよ。ただ毎回そうする必要はありません」なるほど。「教える側も人間ですから、100%常に完璧という訳にはいきませんよ。あと私には生徒とうまく距離を置くための、基本的な考えがあります」「それを参考にお聞きしてもよろしでしょうか?」「もちろん」

①教える側はプロフェッショナルだが、生徒はプロフェッショナルではない。

したがって教える側がきちんと生徒と距離を保ち、近すぎずまた遠すぎない距離を保つようにしている。

②レッスン外では、生徒と個人的なコミュニケーションを取らない。

Facebookやその他ツールでも、個人的なカジュアルなコミュニケーションはしない。コミュニケーションはレッスンの中だけにしている。

③生徒に他の生徒のことを話さない。

例えば夫婦でレッスンを別々に受けていたりしても、嫁から打ち明けられたことを旦那にシェアしたりは一切しない。

④一般的なことしかコメントしない。

個人的にではなく、一般的なこととしてコメントする。例えば宗教について聞かれたとしても(だいたい政治、宗教、歴史などのタブートピックスは避けるが)、自分の国の宗教観などを説明するなど。

これを聞いていて、生徒が急速に距離を縮めてきた原因の一部が、自分の振る舞いにあることに気づいた。きっとフレンドリーに接しすぎて、相手に私が友達か何かと勘違いさせたのだ。

「ありがとうございました。とても助かります。このようなことを相談できる人が周りにいなかったもので・・・非常に生産的な授業でした」日本語を教えるスキルは日本語教師養成講座で習得しているが、このようなことまでは網羅されていない。また会社勤めのように相談できる上司もいないのだ。「いえ、とんでもありません。私もこのような話をできて非常に有意義でした。ここに正しい英語の表現と新しいフレーズを残しておりますので」Jimさんは私の話を聞き適切な回答をしながらも、私の間違っている英語を正し、また新しい言い方をSkypeのチャットボックスに残してくれていた。

私は今まで何人もの英会話の先生に出会ったが、その中でもアメリカに住んでいた時に受けていたSteveという先生がダントツで素晴らしい先生だった。しかし今日Jimさんもまた、Steveに匹敵するくらいの素晴らしい先生だと思った。両者に共通しているのは、きちんと英語の指導をすることはもちろんのこと、英語以上のことを教えてくれる点だった。Steveは慣れないアメリカ生活で、私が困っていることの対処方法を教えてくれたり(アメリカの文化やアメリカ人のマインドなど)、また考えすぎる癖のある私に面白いアドバイスをよくしてくれた。(一番印象的だったのはこれだった。『君は間違いなくこれから金や健康や家族など、ありとあらゆる問題に出くわすだろう。だから安心しなさい』人生はそういうものだから、あれこれ考えすぎるのをやめなさいということだった)いつまで日本語を教えるのか分からないけれど、私もいつか誰かがそう思うような存在に慣れればいいなと思った。