シンガポールにいるうちに🌴

大好きな東南アジア生活の記録

    

Bukit Batokで知ったシンガポールの違う一面

10年来の飲み友達のアドバイス通り、社会的な拘束の中で何かの活動を定期的にすることにした。日本語を教える以外に身一つで、自分の経験や能力を活かして誰かの役に立てないかなと色々探していたところ、シンガポールの小学校で先生のアシスタントをするというボランティアを見つけ、よく分からないが直感で応募した。

(このサイトで色々な種類のボランティア活動が紹介されている)

Giving Made Simple, Fun & Meaningful - Giving.sg

今日はその事前説明を受けるためにBukit Batokへ初めて行ったのだが、クリーンで安全なイメージが強いシンガポールにも、他の国と同様に色んな問題があるのだと少し違う側面を見ることになった。あとちょっとした異国の旅気分を味わうことができた。

①Bukit Batokは遠い

まず朝のんびりコーヒーを飲みながら、そのオフィスまでの行き方を調べていると、なんと自宅から最寄り駅まで電車で40-50分+徒歩11分=約1時間もかかるではないか!しかも初めて行く場所で迷うだろうし、遅刻する訳に行かないので慌てて家を出る。そしてすごく晴れていたのに、家を出たとたんに豪雨になり強風で傘が壊れた。

②最近中国語でたまに話しかけられるようになった

電車でおばあちゃんが中国語で何かを話しかけてくるが、当然ながら分からない。多分駅名か何かを聞いているんだろうと思い、駅名がわかる携帯のアプリを見せた。「今ここです。次ここです」と指をさすと、次の駅で降りたかったが今どこなのかわからなかったらしい。おばあちゃんは「バイバイ」と言って降りていった。

③ここ違う国?

最寄り駅に着き、豪雨の中を歩く。ローカル感漂う集合住宅地を抜けて、「153」と書かれた建物を探すがよく分からない。ホーカーのおばあちゃんに住所を見せながら、英語で「153」はどこか聞くが通じない。『あのお兄ちゃんに聞いてみて』というジェスチャーをされ、お兄ちゃんに聞くが『ちょっと僕英語話さないんだ(汗)』のようになぜかすごく焦っている。英語は関係ない。どの辺か適当に指をさしてくれればいいのだ。違うおばあちゃんにバトンタッチされ『ここを抜けて、あっちだ』ということを中国語で言ったのでそっちへ行く。

そのオフィスは、集合住宅地の2軒くらいをつなげて作ったこぎれいなところだった。透明なドア越しに中をのぞくと、かわいらしいシンガポール女子が中から開けてくれた。「お待ちしてました!こちらへどうぞ」と部屋に通され、彼女の上司らしいテキパキしてそうなシンガポール女子が入ってきた。はじめましてと握手をしていると突然「日本人ですか?」と聞かれた。「はい、そうです」「やっぱり。きちんと礼儀正しく座っておられたので、そうだと思いました」他の人は一体どのように座って待っているのだろう?その後、かわいらしいシンガポール女子も同席し、事前説明が始まった。

このコミュニティが運営しているいくつかの学校は、少し一般的な学校とは違うらしい。両親共働きで面倒を見ることができないので子供を預かっている学校、その学校が閉まった後も子供を預かる学校、少し他の子と一緒に勉強するのが難しい子を預かる学校など。しかし一番驚いたのは、孤児院のような学校があることだった。「ここは親が育てられなくなり親戚にたらい回しにされてきた子や、親の虐待などでトラウマを持つ子、親が刑務所にいる子などが住んでいます。18カ月住むことができ、トラウマの治療を受けているのです」「え?シンガポールは安全なイメージで、日本みたいにバカげた犯罪はないと思っていたので、少し驚きました」「そうでしょう?このような施設はシンガポールに実はたくさんあります」時々MRTで家庭内暴力から救う警察官のポスターなどを見たが『こんな平和そうな国に、そんなのあるのかな?でもあるんだろうな』と思っていたら、やはりあるのだ。

「ボランティアの内容は、先生のアシスタントです。ひとクラス20人くらいいるので、1人の先生では面倒を見るのが難しいのです。宿題を見たり、英語や算数などを教えたり、外で遊んだりするお手伝いをして頂ければと思いますが、大丈夫ですか?それに日本語や日本の遊びなど、もし授業に関するアイデアがあれば何でもください」これは思っていたよりも、ガチなやつではないか。正直私にはこのような経験はなく、大丈夫かどうかはいつも通りやってみなければ分からない。(日本語も教えたことなどなかったが、やってみて今のところ続いている)ただ算数が苦手なので、それだけ事前申告をしておく。「すみません、算数があまり得意ではないんです。ただベストは尽くします」「先生がいるので、大丈夫ですよ。彼女になんでも聞いてもらえれば。あと子供が理解しやすいように、英語をゆっくり話してください」「わかりました」その後、事務的な説明を受け同意書にサインをする。

「ところでシンガポールの子供はどうやって遊んでいるんですか?」「その学校では室内だと粘土とか、絵を描いたり、風車などの折り紙で遊んでいます。近年子供は外で遊ぶというよりiPadなどで遊んでいたりしますね。私はあれは好きではないんですがね。それに親が外で遊ばせるのを心配するのです。蚊に刺されないかとか、危なくないかとか。少し日本とは親のマインドが違うと思います。日本の子供はどう遊ぶんですか?」自分の小さい頃の遊びを説明しようとしたが、うまく説明できない。けれどたくさんあったと思う。ゴム飛び、縄跳び、鬼ごっこ、刑ドロ、かくれんぼ、だるまさんが転んだ、あやとり、おはじき、折り紙、五目並べ等・・・。今の子は知らないが、私の世代は主に外で遊んでいたように思う。それに学校では鳥やウサギなどを飼っており、誰かが面倒を見ていた。初夏にはあさがおの種を植えきちんと水をやって育てたし、プチトマトも作った。秋になれば芋ほりがあり遠足で近所の山や公園へ行くなど、自然に触れる機会が多かった。もしやここは運動会もないのだろうか?お弁当も?「シンガポールは小さな国なので、各学校で動物や植物を育てることはできません。代わりにDresortやFarmartへ行き、動物にエサをやったり植物をどう育てるのかを見学するんです」うーん、国によって色々と違うもんだなと思った。

色々なことをお話しし、最終的には週一回長期的に3-6時までTeacher assistantとして来れないか?という運びになった。どうやら日本人というのと日本語教師もどきというのが、彼女にピンとこさせたらしい。「日本人は初めてです。先生っぽい人が必要なんです。子供は大人がいると安心しますし、あなたが色々と学んできたことを子供に教えてもらえたらと思います。一度今度の半日活動をして、ぜひお考えになってください」「ありがとうございます。そうします」1時間を少し過ぎ、オフィスを出た。豪雨はまだ続いていた。

Bukit Batok駅横のローカル食堂で、きしめんの焼きそばと野菜炒めを食べライムジュースを飲みながら(なんとこれでSGD3.5)、マリーナベイやラッフルズホテルなどのキラキラした面だけがシンガポールではないのだと改めて思った。そこには現地の方の生活があり、色々な社会問題がある。前にランチをしたスペイン人がこう言っていた。「シンガポールは三層くらいに社会が分かれている。一層目は外国人で彼らは裕福な暮らしをしている。二層目はシンガポール人で中流階級。三層目はインドやフィリピンなどからの出稼ぎ労働者だ」そしてシンガポール人のJamesは言っていた。「シンガポールは教育環境が厳しい。一度道をそれると、元に戻るのが非常に難しい。道を誤ると誤った道のまま進むしかなくなるんだ」ぼやっと色んなことを思い返していたら、突然店の中に鳥が入ってきて誰かが食べ残したご飯をつついている!店のおばちゃんが鳥を追い払ったが、鳥はドアの上でひそかにまた食べ物を狙っている。『あぁ、これもシンガポールなんだな~』と思いながら、また1時間ほど電車に揺られておうちへ戻った。

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